第287話 海上の戦闘5
海賊船の横帆の支えであるヤードに飛び移ったイングマルは、ヤードを伝ってマストの中央にたどり着くとそこからクロスボウを撃ち始めた。
上から狙い撃ち、一つも外さず数名の海賊たちを射倒していった。
ここでもすぐに海賊たちは死角に隠れてしまい姿が見えなくなってしまった。
イングマルはマストから降りてきて剣を抜いた。
敵が下りてきたのを見た海賊たちは今度こそ倒してやろうと剣を構えて集まってきた。
しかし小さな少年一人きりだったので海賊たちはびっくりしていた。
海賊たちは自分たちが逃げ回っていた相手がガキだったのですっかり頭にきて顔を真っ赤にして「くそーっ!このガキがッ!!なめやがって!覚悟はできてるんだろうな?!」と叫んだ。
隠れていた者ほとんど集まり十数名でイングマルを取り囲んで一斉に飛び掛かろうとしたがイングマルは飛びのいてマストに飛び移り、上から目つぶしを数発投げつけた。
団子状に密集していた海賊たちはまともに目つぶしを食らって全員せき込んで苦しみもがいていた。
イングマルは目つぶしの煙が消えてからマストから降りてくると情け容赦なく苦しみもがいている海賊たちを切り刻んで行った。
その場にいた全員の手足を斬り動けなくすると後部甲板に向かいながらまだ動ける者がいたら斬り倒した。
すでにほとんどの海賊たちは戦意を失っておりイングマルの敵ではなかった。
血だらけの甲板をぺたぺた歩いて後ろに向かって行くと後部デッキに屈強な男二人が剣を構えて後ろにいた操舵手をガードしていた。
物凄い形相でイングマルをにらんでいたが構わずに左にいた男にクロスボウを放って利き腕に命中させた。
右側の男はそれと同時に「くそがーッ!!」と叫んで斬りかかってきた。
イングマルは左側にいた腕を押さえてうずくまる男を踏みつけながら乗り越えると斬りかかってきた男の横をすり抜けざまに足を斬った。
ひるんだ二人が振り向くと同時にもう一度手足を斬り動けなくした。
最後尾にいた操舵手はイングマルの矢が腕と肩に刺さったままで息を荒くして苦しそうだったが気丈にも必死で舵をおさえていた。
舵手は船員と違って海賊船の船長だった。
黙ってイングマルをにらんでいたがイングマルも何も言わず剣の柄で船長のあごをぶん殴ったら気を失ってひっくり返った。
イングマルは並走しているロイドに合図を送り「ジョンに知らせて!2人よこして!」と叫んだ。
ロイドは「分かった!」と合図を送り急いでジョンの船に向かった。
イングマルは帆を立て直しロープで舵を固定しアントウェルペンにむけた。
さらに海賊たち全員を裸にしてロープで縛り上げた。
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