第286話 海上の戦闘4
遅れてたどり着いた3隻目のジーベックの海賊船の船長は仲間の船のあまりに早い火の周りに、自分たちも身の危険を感じ慌てて自分たちのたいまつや火矢を片付けさせた。
目の前で燃える船から乗組員が次々と海に飛び込んでこちらに助けを求めてやって来た。
3隻目のジーベックはすぐに救助活動を始めた。
さらに遅れてたどり着いた4隻目のジーベックは目の前の惨状を目の当たりして頭に血が上り、救助活動は3隻目のジーベックに任せてイングマルたちの攻撃へ向かった。
イングマルの船はジョンたちを追っていたがすぐに4隻目のジーベックに追いつかれた。
イングマルは相手が一隻なのを確認するとロイドに合図してイングマルの方からジーベックに向かって行った。
イングマルはロイドに相手と50mの距離を保つように指示するとクロスボウを構えて盾の間から狙った。
ロイドの周りには何重にも盾が並べられているのでロイドは安心して相手に向かって行った。
すれ違いざまにお互いに矢の撃ち合いが始まった。
海賊船からはロングボウの矢が一斉に数10本飛んできたがほとんど外れ、数本が盾に命中した。
彼らも火を恐れて通常の矢であった。
イングマルは3丁のクロスボウを発射しすべて命中させた。
すれ違った後、互いに右に旋回し相手の後ろにつこうとした。
小回りが利き軽量のイングマルの船の方が立ち上がりが早く、相手の後方に上手く回り込むことが出来た。
相手の矢の届かない絶好の所からイングマルはクロスボウを放ち続け5人に命中させた。
その内の一人は操舵手で海賊船はたちまち動きが鈍くなった。
ロイドはイングマルの動きを見ながら接近して一撃し離れ、その間にイングマルはクロスボウを装填する。
この攻撃をくりかえした。
イングマルの放つクロスボウはすべて命中し、ロイドはその正確さにおどろいていた。
驚いていたのは海賊船の方も同じでもっと驚きあせっていた。
気が付けば半数近くがやられていたのである。
このジーベックの海賊船には30人程しかのっていなかった。
そのうち海賊たちからの矢の攻撃は無くなってしまいイングマルが近づけば舷側に隠れて姿を見せなくなってしまい攻撃できなくなってしまった。
船の操作は出来ずもはや海賊船は漂うだけになっている。
イングマルは海賊船の周りを回りながらターゲットを探したが彼らは必死に見つからないように隠れていた。
わずかでも体が見えればたちまち矢が飛んできて撃ち抜かれてしまう。
らちが明かないと判断したイングマルは騎射で使っている小型軽量速射できるクロスボウを背に担ぎ、目つぶしと矢をたくさんいれたカバンと剣を持つとマストのてっぺんにつないであったロープにつかまり、ロイドに海賊船にギリギリまで近づけさせると空中ブランコのようにして勢いをつけて海賊船に乗り移った。
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