第1253話妹が袖 我枕かむ 川の瀬に

あらかじめ作りし七夕の歌一首


妹が袖 我枕かむ 川の瀬に 霧立ち渡れ さ夜ふけぬとに

                    (巻19-4163)


愛しい妻の袖を枕に寝ようと思う。

天の川の瀬には、霧が何も見えなくなるほどに立ちわたって欲しい。

夜が深くなる前に。


一年に一度だけの短い逢瀬。

彦星は、少しでも早く、織姫と逢瀬を果たし、立ち込める霧に紛れて、心置きなく愛し合いたいと願う。


七夕の夜は、本来晴れ渡って欲しい(自分が織姫と逢うまでは)

ただ、逢ってからは、他人に余計な邪魔をされたくない、だから霧は、早く立ち込めて欲しい。

これも遠距離恋愛をした人には、特にわかりやすい歌と思う。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る