第1214話大目秦忌八十島の館に、守大伴宿祢家持を餞して宴せし歌二首
大目秦忌八十島の館に、守大伴宿祢家持を餞して宴せし歌二首
奈呉の海の 沖つ白波 しくしくに 思ほえむかも 立ち別れなば
(巻17-3989)
我が背子は 玉にもがもな 手に巻きて 見つつ行かむを 置きて行かば惜し
(巻17-3990)
右は、守大伴宿祢家持、正税帳を以って、須く京師に入るべきに、すなわちこの歌を作りて、聊かに相別るる嘆きを陳べしものなり、四月二十日。
奈呉の海のからの白波が絶えることなく立つように、いつでも思い出すことでしょう。遠く旅立って別れてしまうのですから。
あなたが玉であればいい、と思うのです。玉であれば、手に巻いていつでも見ることができます、置き去りにして旅立つのは、実に惜しまれることです。
正税帳は、租税の出納簿で、本来は二月末までに太政官に提出するべきもの。
ただし、越中など雪深い国は、特例として、四月末期限が認められていた。
(尚、家持の出発は五月二日以降らしい。規定の運用も大まかだったらしい)
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