第1201話妹が家に 伊久里の杜の 藤の花

古歌一首大原高安真人の作。年月審らかならず。但し、聞きし時に随ひてここに記し載す。

※大原高安真人:長皇子の孫説有り。天平11年(739)4月臣籍降下。同14年12月没。「真人」は姓(かばね)


妹が家に 伊久里の杜の 藤の花 今来む春も 常かくし見む

                     (巻17-3952)

※妹が家に:「伊久里の杜」にかかる枕詞。

※伊久里の杜:所在未詳。

右の一種は、伝え誦みしは、僧玄勝これなり。

※僧玄勝:伝未詳。国分寺僧侶らしい。


(彼女の家に行く)と言われる伊久里の杜の藤の花を、毎年の春に、いつも、こんなふうにめでたいと思うのです。


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