第1199話今朝の朝明 秋風寒し 遠つ人

今朝の朝明 秋風寒し 遠つ人 雁が来鳴かむ 時近みかも

                    (巻17ー3947)

※遠つ人:雁にかかる枕詞。

天離る 鄙に月経ぬ 然れども 結ひてし紐を 解き開けなくに

                    (巻17-3948)

右の二首は、守大伴宿祢家持の作。


今朝の明け方は、秋風がことさらに寒く感じました。雁が飛んで来て鳴く時期が近いからでしょうか。


都から、遥かに遠いこの地に来て、既に月も変わりました。ただ、都で愛しい妻が結んでくれた衣の紐は解き開けることは出来ないのです。


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