第1129話由縁ある雑歌(18)
作者未だ詳らかならざる歌一首
梨棗 黍(きび)に粟次ぎ 延ふ葛の後に逢はむと 葵花咲く
(巻16-3834)
梨、棗(きび)に粟と続いて伸びる葛の後に逢いましょうとでも言うのか、葵の花が咲いている。
梨、棗、黍は夏の代表的な食物。
黍(きび)に粟は、「君に逢はず」を掛けてある。
葵の花は、「あふひ」つまり「逢う日」を掛ける。
梨、棗、黍に粟と、食物は、次々に実るけれど、貴方とは逢える状態では無い。
しかし、延び続ける蔦のように、(後には逢えるように)、葵の花が咲いている。
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