第1076話肥前の国松浦郡の狛島の亭の歌七首から(3)

秋の夜を 長みにかあらむ なぞこここば 眠の寝らえぬも ひとり寝ればか

                           (巻15-3684)


秋の夜が、長いためなのであろうか。何故、これほどに眠れないのだろうか。一人寝のためだろうか。


足日女 御船泊けてむ 松浦の海 妹が待つべき 月は経につつ

                           (巻15-3685)

※足日女:たらしめ。息長足日女尊。神功皇后。新羅遠征の時に、松浦の海に停泊したことが、記紀に記されている。

※松浦の「まつ」と月日を「待つ」を掛けている。


神功皇后様がお泊りになられた、この松浦の海の名が示すように、愛しい妻が待つ、約束の月は、ひたすらに過ぎて行くのです。




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