第1075話肥前の国松浦郡の狛島の亭の歌七首から(2)

天地の 神を祈ひつつ 我待たむ 早来ませ 待たば苦しも

                     (巻15-3681)

右の一首は娘子


天地の神々に祈りながら、私はお待ちします。早く帰って来てくださいね。

待ち続けるのも、辛いので。


娘子は、遣新羅使の一行の宴会に同席した、遊女と思われる。



君を思ひ 我が恋まくは あらたまの 立つ月ごとに 避くる日もあらじ

                         (巻15-3683)

貴方を思い、恋し続ける私の思いは、どれだけ新しい月が来ようとも、苦しい思いを避けられる日などはないのです。


遊女の歌に面白みを感じたのか、遣新羅使の一人が、女性の立場で詠んだ歌とされている。

これも、旅の苦しみを紛らす座興と思われる。

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