第1072話引津の亭に船泊りして作りし歌七首から(1)

引津の亭に船泊りして作りし歌七首

※引津:糸島半島西海岸。筑前富士と賞せられる麗峰可也山を東に望む。

山の西部に引津湾があり岐志、新町、船越の浦がある。船越の南に加布里港、港の背後の前原は、魏志倭人伝が伝える伊都国と言われる。支石墓、甕棺墓など弥生人の生活跡が残る。


草枕 旅を苦しみ 恋ひ居れば 可也の山辺に さお鹿鳴くも

                           (巻15-3674)


長旅に苦しみ、奈良の妻を恋しがっていると、可也の山あたりで、雄鹿が鳴いているのです。


雄鹿の悲し気な鳴き声に、自分のホームシックをかぶせた歌。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る