第1071話筑前の国の志麻郡の韓亭にて (3)
ぬばたまの 夜渡る月に あらませば 家なる妹に 逢ひて来ましも
(巻15-3671)
※ぬばやまの:夜にかかる枕詞。
夜空を渡る月だったらいいなと、思うのです。
月であれば、奈良の家で待つ愛しい妻に逢って帰って来ることが出来るのですから。
ひさかたの 月は照りたり 暇なく 海人のいざりは 灯しあへり見ゆ
(巻15-3672)
※ひさかたの:月に掛かる枕詞。
その月は、今ここで、隙間なく照り渡っています。
その月の光の下で、海人の漁り火を点々と灯し合っているのが見えます。
前の歌の奈良に行って帰って来たいという感傷的な歌を、否定するような現実的な歌である。
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