第1057話大島の鳴門を過ぎて再宿を経て後に、追ひて作りし歌二首

大島の鳴門を過ぎて再宿を経て後に、追ひて作りし歌二首

※大島:周防大島。※鳴門:潮流が激しい音を立てて流れる海峡。

航行の難所として有名。


これやこの 名に負ふ鳴門の 渦潮に 玉藻刈るとふ 海人娘子ども

                       (巻15-3638)

右の一首は田辺秋庭。

※田辺秋庭:未詳。渡来系の人とも言われる。通訳かもしれない。


波の上に 浮き寝せし宵 あど思へどか 心悲しく 夢に見えつる

                       (巻15-3639)



これこそが、かの有名な鳴門の渦潮に玉藻を刈ると言う、海人娘子たちなのか。


波の上で浮き寝をする夜なのに、何故、家で待つ妻が寂しそうな顔で、夢に見えたりするのだろうか。

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