第1054話周防国玖珂郡の麻里布の浦を行きし時に作りし歌八首(2)
大船に かし振り立てて 浜清き 麻里布の浦に 宿りかせまし
(巻15-3632)
※かし振り立てて:「かし」は船を係留するために、水中に立てる棒杭。船に積んである。水中に突き立てる動作として、振り上げるので「振り立て」と表現している。
安波島の 逢はじと思ふ 妹にあれや 安眠も寝ずて 我恋ひわたる
(巻15-3633)
(せっかくこの大きな船には「かし」を積んでいるのだから)、「かし」を振りたてて、清らかな浜の麻里布に、宿を取ることができないものだろうか。
逢えると名のつく安波島(あはしま)なのに、可愛いあの子に逢えないことなどあるものだろうか、そんなことを思い続けて、安らかに眠ることもなく、私はあの子のことを思い続けている。
この二首も麻里布、安波島への「土地褒め」の歌。
立ち寄っていけない土地を残念がり(土地褒め)、道中の安全祈願をしている。
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