第1021話うちひさす 宮のわが背は 大和女の

うちひさす 宮のわが背は 大和女の 膝まくごとに 我を忘らすな

                        (巻14-3457)

※うちひさす:「宮」にかかる枕詞。

※宮のわが背:宮仕えをする夫。東歌なので、おそらく地方から都に出て、衛士、仕丁などをする夫。


遠く離れて、奈良の都で、御勤めをする貴方は、大和の女の膝を枕にすることはあっても、この私を忘れないでください。


地方の妻が、都勤めをする夫を追いかけることができなかった時代。

奈良の都の女(大和女)と、「共寝の関係」を持つことは、諦めるしかなかったのだと思う。

それでも、「私を忘れないで」とは、訴える歌。

そうするしかないことが、実にあわれでもある。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る