第974話おしてる 難波の崎に 引きのぼる 赤のそほ船

おしてる 難波の崎に 引きのぼる 赤のそほ船

そほ船に 綱取り掛け 引きこづらひ ありなみすれど

言ひづらひ ありなみすれど ありなみえずぞ 言はれにし我が身

                      (巻13-3300)

※おしてる:「難波」に掛かる枕詞。

※難波の崎:「御津の崎」と同地。大阪市上町台地北端説有り。

※そほ:古代の赤の顔料。


難波の崎を、引きながらのぼる朱塗りの船。

その船に綱を取り掛け強く引くように、彼が引きずって来るのに逆らい続け、

あれこれ言って来るのにも逆らい続けたけれど、ついには逆らい切れず、私は世間に知られることになってしまったのです。


古代の歌謡曲らしい。

おそらく節をつけて、宴会などで謡ったのかもしれない。

要するに、彼氏からの強い求婚に抵抗したけれど、結局応じてしまい、世間に知られることになったとの意味らしい。




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