第953話曇り夜の たどきも知らぬ 山越えて

曇り夜の たどきも知らぬ 山越えて います君をば いつかと待たむ

                        (巻12-3186)

※たどき:様子。


月が見えない曇り夜のような、足元の様子もよくわからない危険な山道を越えて、他国に向かった貴方を、いつ帰って来られるかとお待ちしたらいいのでしょうか。


暗い山道は、足元がおぼつかないだけではない。

熊や狼などの獣がいて、野盗からも襲われる危険もある。

運よく、他国に辿り着いたとしても、帰路は同じように危険。


それを考えると、残された女の不安が、理解できる。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る