第935話かく恋ひむ ものと知りせば 夕置きて
かく恋ひむ ものと知りせば 夕置きて 朝は消ぬる 露ならましを
(巻12-3038)
これほど恋に苦しむものと知っていたならば、夕方に置いて朝には消えてしまう露でありたかった。
朝日さす 春日の小野に 置く露の 消ぬべく我が身 惜しけくもなし
(巻12-3042)
朝日が差し込む春日の小野に置いた露があっさりと消え去るように、消えてしまいそうな我が身です。もはや、こんな我が身など何も惜しくはないのです。
いずれも恋に苦しみ、露のようにあっさりと消えてしまいたい(死んでしまいたい)、と嘆く歌。
相手に想いが通じず、夜離れが続いているのだろう。
期待して待てども、相手は来ない。
嫌われたのか、新しい女ができたのか。
それでも待ち続けて、夜も眠れず苦しみ続ける。
こんな不安と苦しみが続くなら、もはや露のように消えてしまいたい。
恋死を願う、典型的な歌である。
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