第925話思ひつつ 居れば苦しも ぬばたまの

思ひつつ 居れば苦しも ぬばたまの 夜に至れば 我れこそ行かめ

                        (巻12-2931)

※ぬばたまの:夜にかかる枕詞。


貴方のことを待ち続けて、思い続けていると、本当に苦しいのです。

夜になったら、私から貴方のもとに行こうかと思うのです。


様々な解釈がある。

男の来るのが待ちきれないから、世間の習わしに外れても、男の家に行こうとする純愛的なもの。

あるいは、来ないのなら、多情な男の浮気現場に直行すると脅す、女の怒りのようなもの。

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