第924話宵々に 我が立ち待つに けだしくも

宵々に 我が立ち待つに けだしくも 君来まさずは 苦しかるべし

                        (巻12-2929)

毎晩、私は門のところに立って待っています。

もし、あなたが来られなくなったら、どれほど辛いことになるのでしょうか。


生ける世に 恋といふものを 相見ねば 恋ふるうちにも 我ぞ苦しき

                        (巻12-2930)

私は生まれてから今まで、恋というものを知らなかったのです。

今は、このように恋を知り、辛くてなりません。



どちらも恋の苦しみを詠む。

恋人が来なくなったらどうしよう、との不安の苦しみ。

恋に目覚めて、何も手につかない苦しみ。


いずれにせよ、恋愛の初期。

10代の恋の歌と思われる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る