第914話夜も寝ず 安くもあらず 白たへの

夜も寝ず 安くもあらず 白たへの 衣は脱かじ 直に逢ふまでは

                        (巻12-2846)

※白たへの:衣にかかる枕詞。


夜も眠れなくて、心が安らぐ時がありません。

この衣は脱がないことにします。

直接に貴方に逢うまでは。


男女、どちらが詠んだとは決めかねる歌。


古代、恋する男女は、互いに肌着を交換して着たと言われている。

だから、直接逢っていない時に、肌着を脱ぐことは、愛の終わりを意識してしまうのか、不安だったのかもしれない。

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