第887話夕占問ふ わが衣手に 置く露を
夕占問ふ わが衣手に 置く露を 君に見せむと 取れば消につつ
(巻11-2686)
夕占いをする私の袖の上に降りた露を、あの人に見せようと何度も手に取るけれど、すぐに消えてしまうのです。
愛しの彼の訪れを願い、家の外に出て夕占いをしたのだろう。
そして彼が来た時に、光る露を美しい白玉として見せたいけれど、手に取れば、すぐに消えてしまう。
無駄なこととわかっていても、何度も繰り返してしまう。
やはり、恋は盲目なのだけれど、やっていることは、どこか可愛らしい。
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