第852話逢はなくに 夕占を問ふと 幣に置くに

逢はなくに 夕占を問ふと 幣に置くに 我が衣手は またそ継ぐべき

                         (巻11ー2625)

※幣に置くに:自分の着物を切り取って、神前に幣として供える、の意味。


逢えることもないのに、夕占をしようと、少しずつ我が衣を切り取っては神前に供えるので、私の袖は、何度も何度も、継ぎ足さなければならないのです。


恋は盲目ということだろうか。

自分の衣を切り取って、夕占に使うとは。

それでも、何の霊験もなく、夫が来ることはない。

かくして、袖を何度も継ぎ足すことになる。


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