第850話紅の 八しほの衣 朝な朝な

紅の 八しほの衣 朝な朝な なれはすれども いやめづらしも

                      (巻11-2623)

※八しほの衣:「八」は回数が多くの意味。「しほ」は衣を染料に浸す回数を示す言葉。現代語にも、「一入(ひとしお)」として残る。


紅に何度も染めた衣が、朝毎に身体に慣れ、馴染んでくるように、毎朝抱き合っていて、貴方はますます、可愛らしく愛おしい。


紅に何度も染まる衣は、抱き合う女性の身体が赤くなる、その意味もある。

とにかく、愛おしくて仕方がないと詠む。

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