第844話奥山の 真木の板戸を 音速み

奥山の 真木の板戸を 音速み 妹があたりの 霜の上に寝ぬ

                     (巻11-2616)

※速み:「勢いが激しい」から、大きな音を立てるの意味になる。


女の家の真木の板戸が、開けようとすると、ひどく大きな音を立てて、家の人に気がつかれてしまう。

そんなことを心配して、女の家の近くの、霜の上で寝てしまった。


はるばる出向いて来ておきながら、戸を開ける音が気になって、開けられない。

結局、逢瀬も出来ず、霜の上に寝るはめになってしまったのである。


うるさい音を立てる「真木の戸」は、実は女の親なのかもしれない。

結局、女に親に拒絶され、逢瀬もままならなかったと、解釈する。




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