第820話たらちねの 母に障らば いたづらに
正述心緖
※直接に自分の思いを表現する歌。
たらちねの 母に障らば いたづらに 汝も我も 事そなるべき
(巻11-2517)
母に邪魔をされたなら、ただ空しく、貴方と私の仲も、破談になってしまうことでしょう。
男が詠んだのか、女が詠んだのかは未詳。
当時の通い婚を考えれば、女と考えるのが自然。
母親は、娘に近づく男を、しっかりと値踏みしていたので、男としても娘の母親には慎重である必要がある。
機嫌を損ねたなら、破談となる可能性が強くなるのだから。
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