第810話肥人の 額髪結へる 染木綿の

肥人の 額髪結へる 染木綿の 染みにし心 我忘れめや

                   (巻11-2496)

※肥人:こまひと。肥後の国球磨地方(熊本県球磨郡、人吉市あたり)

※染木綿:しめゆふ。色染めした楮の繊維。色は魔除けの力がある朱色と思われる。染色した木綿の鉢巻(はちまき)で、前髪を結う風習があった。(南九州から琉球まで)


肥人が前髪を結う染め木綿のように、あなたに染まってしまった気持ちを、忘れることなどはできないのです。


古代、肥人は宮廷の警備として、上京していた。

作者は、その時に、肥人の鉢巻を見たと、想定される。


これも、古代の習俗がわかる一首である。





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