第803話わが背子に 我が恋ひ居れば わがやどの

わが背子に 我が恋ひ居れば わがやどの 草さへ思ひ うらぶれにけり

                          (巻11-2465)


あの愛しい人に、恋し続けていると、庭の草までが思ってくれて、とうとう萎えてしまっているのです。


庭の草が萎えるのだから、詠んだ季節は夏かもしれない。

訪れてくれない愛人を思い続け、庭の草まで一緒に思い疲れて萎えてしまったと詠む。

尚、古代日本では、古事記にあるように、「葦原の中つ国は草木皆物言ふ」とされていて、草木にも感情があるとされていた。


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