第716話玉だすき かけぬ時なし 我が恋は

玉だすき かけぬ時なし 我が恋は しぐれし降らば 濡れつつも行かむ

                          (巻10-2236)

※玉だすき:「玉」が飾りについた、たすき。たすきの美称。「かける」の枕詞。神聖なたすきをかけて行う儀礼の意味も含める。


あの人のことを、恋い焦がれていない、心にかけていない時など、ありません。

時雨が降ったとしても、濡れてでも行こうと思っています。


「濡れつつも行かむ」、時雨の強さや冷たさよりも、あの人への思いが勝る。

一途な恋は、やはり美しい。

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