第717話もみち葉を 散らすしぐれの 降るなへに

もみち葉を 散らすしぐれの 降るなへに 夜さへそ寒き ひとりし寝れば

                           (巻10-2237)


黄葉を散らす時雨が降り続いています。

こんな夜は、さらに寒く感じます。

寝床には、私一人だけなので。


男性を待つ女性の立場で訳してみた。

寒い夜の独り寝は、実に寂しい。

時雨が降り続くので、一緒に寝床を温めてくれるはずの人は来ない。

あるいは、その人の浮気を疑ってしまいたくなる。

そうなると肌感覚でまず寒く、そして心も寒く辛い。



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