第708話天の海に 月の船浮け 桂楫
天の海に 月の船浮け 桂楫 かけて漕ぐ見ゆ 月人をとこ
(巻10-2223)
※桂楫:古代中国では、月に桂が生えているとする俗信があった。桂楫は、その桂の木で作った楫。
※月人:月の擬人化。
天の海に、月の船を浮かべ、月の国の若者が桂の楫で漕いでおります。
天空を渡る月を舟に見立てた幻想的な歌。
おそらく柿本人麻呂の
天の海に 雲の波立ち 月の船 星の林に 漕ぎ渡る見ゆ(巻7-1068)
遥かなる天の海に 雲の波が立ち 月の船が 星の林に漕ぎ隠れて行くのが見える
を参考に詠んだと思われる。
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