第630話冬ごもり 春咲く花を 手折り持ち

冬ごもり 春咲く花を 手折り持ち 千度の限り 恋ひわたるかも

                       (巻10-1891)

※冬ごもり:春にかかる枕言葉。

※千度の限り:数え切れないほど、際限もなく、実に長い間、などの意味に解する。万葉集中では他に例がない表現。


春に咲く花をたっぷり手折り持って、実に長い間、あなたに恋焦がれているのです。


恋人にプロポーズする際に、花束を渡すのは、西欧諸国の伝統と思っていたけれど、我が日本にもあったようだ。

作者は柿本人麻呂とされている。


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