第568話松陰の 浅茅が上の 白雪を

大伴坂上郎女の雪の歌一首


松陰の 浅茅が上の 白雪を 消たずて置かむ ことはかもなき

                       (巻8-1654)

※ことはかもなき:万葉仮名の原文は「言者可聞奈吉」で古来、意味が難解とされている。一般的には「こと」を「事:方法」とする。しかし「こと」を「由(よし)」の誤りとする説もある。ここでは一般的な「事:方法」をとる。



松陰の浅茅の上に残った白雪を消さないで、そのまま置く手段など、実にあやふやなのです。

松陰にわずかに残る白雪も、それは美しい。

はかなく消えてしまうのを、惜しむ歌。

淡泊ではあるけれど、味わいがある歌と思う。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る