第556話大伴田村大嬢から異母妹坂上大嬢に
大伴田村大嬢の、妹坂上大嬢に与へし歌二首
我がやどの 秋の萩咲く 夕影に 今も見てしか 妹が姿を
(巻8-1622)
我がやどに もみつかへるて 見るごとに 妹を懸けつつ 恋ひぬ日はなし
(巻8-1623)
※もみつかへるて:「もみつ」はもみじするの意味。「かへるて」は楓。葉が蛙の手に似ていることからいう。
私の家の庭では、夕方の光を受けて、秋の萩が素晴らしく咲いています。
とにかく素敵なので、今すぐにでも、貴方と一緒に見たいと思うのです。
私の家の庭で見事に色づく楓を見るたびに、あなたを思って恋わない日はないのです。
一夫多妻であった古代の異母妹に対する感情は、現代とは違うので、まずその違和感を外して鑑賞する必要があるけれど、それにしても田村大嬢は坂上大嬢が可愛くて仕方がなかった。
そんな思いが、よくわかる二首である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます