第470話沫雪か はだれに降ると 見るまでに

駿河采女の歌一首


沫雪か はだれに降ると 見るまでに 流らへ散るは 何の花ぞも

                        (巻8-1420)

※駿河采女:駿河国駿河出身の采女。

※沫雪:白く細かい泡のような雪。

※はだれに:雪がはらはらと降る状態。


泡雪がはらはらと降るように見えてしまうように、流れ散るのは何の花なのでしょうか。


散る花を雪と見間違うとして、詠んだ歌。

花は、おそらく白梅で、梅を愛でる宴席での歌。

ただし、温暖な駿河(静岡県)では、ほとんど雪が降ることはない。

駿河采女は、上京して、淡雪の美しさを知ったのだと思う。

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