第457話海に寄せき(4)

朝なぎに 来寄る 白波見まくほり 我はすれども 風こそ寄せね

                         (巻7-1391)

朝なぎの時間に寄せて来る白波を、私は見たいと思うのですが、風が吹かないので白波を寄せてくれないのです。


白波は男のたとえ。

来るはずの男が、風が吹かないので、来ないと嘆く。

積極的に言い寄って来ない男を恨むのだと思う。

しかし、風は気まぐれなので、吹く方向が、この岸辺ではないかもしれない。

男を運ぶ風は、もっと良い岸辺(美しい女、可愛らしい女)に吹いている可能性もある。

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