第443話月に寄せき(2)
春日山 山高くあらし 岩の上の 菅の根見むに 月待ちがたし
(巻7-1373)
春日山は、意外に高い山のようです。
岩の上に生える菅の根を見たいのですが、月がいつまで待っても出てこないのですから。
自分より身分の高い女性になかなか逢えない男の嘆きを詠う。
「山高くあらし」が逢瀬が困難なこと。
「岩の上の菅の根」は、たどりつけないほどの身分の高い女。
「月」は、逢瀬の時。
春日山で開かれた月見の宴で詠われたと考えるのがわかりやすい。
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