第403話時に臨みき(12)

大船を 荒海に漕ぎ出で や船たけ 我が見し子らが まみはしるしも

                          (巻7-1266)

※や船たけ:懸命に力をこめて船を漕ぐ。

※まみ:目の表情、まなざし。万葉集に出て来るのは、この一例だけ。平安期の女流文学などに頻出。


大船を荒れた海に漕ぎ出して、懸命に力をこめて船を漕いではいるけれど、そんな時でも、私の可愛いあの子のまなざしが、ありありと浮かんでくるのです。


どんなに忙しい時でも、恋人を忘れることはない。

おそらく、宴会での歌のようだ。


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