第365話摂津にして作りき(8)
住吉の 岸の松が根 うち曝し 寄せ来る波の 音のさやけき
(巻7-1159)
住吉の岸の松の根を洗うかのように押し寄せてくる波の音は、なんと清々しいことだろうか。
難波潟 潮干に立ちて 見渡せば 淡路の島に 鶴渡る見ゆ
(巻7-1160)
難波潟の潮が引いた干潟に立ち、見渡していると、淡路の島に鶴が渡っていく。
眼前の岸辺の松から広がる海、そして大空。
大海から岸辺の松に打ち寄せる波とその清々しい音、はるか淡路島に向かい大空を渡る鶴とその鳴き声。
どちらも実に雄大にして、美しい自然描写と思う。
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