第346話河を詠みき(8)

我が紐を 妹が手持ちて 結八川 またかへり見む 万代までに

                        (巻7-1114)

妹が紐 結八河内を 古の人さへ見きと ここを誰知る。

                        (巻7-1115)


私の衣の裾を妻の手が結い固める、その結うという名の、結八川。この川をまた来て見ようと思います、いついつまでも。


結八川の河内を、古代の人も皆見たと言うけれど、誰が知るのでしょうか。


結八川の所在は未詳。

その他の川が全て大和の川であったので、この結八川も大和と考えられている。


一首目が妻が自分の衣の紐を結び、二首目は自分が妻の衣の紐を結ぶ。

結八川のほとりで、秘密の逢引きをして、愛を語らったのだろうか。

二首目の「古の人さへ見きと ここを誰知る」が、難解とする学者も多い。

単純にとらえると、古代では有名なデートスポットであるけれど、最近(といっても1300年前の人になる)の人には、あまり知られていないとの意味になる。。



                        

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る