第326話天の海に 雲の波立ち
天を詠みき
天の海に 雲の波立ち 月の船 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ
(巻7-1068)
右の一首は、柿本朝臣人麻呂の歌集に出づ。
天を詠む
遥かなる天の海に 雲の波が立ち 月の船が 星の林に漕ぎ隠れて行くのが見える
ため息が出るほど、壮大で美しい歌。
遥かなる天空を海に、雲をその海に立つ波に、上弦の月を船に、きらきらと輝く数えきれないほどの星を林にたとえ、月が天空を優雅に渡る姿を描く。
この歌を詠みながら、美しい夜空を眺めたら、実に最高。
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