第319話難波宮に幸したまひし時の歌六首(1)

難波宮に幸したまひし時の歌六首


住吉の 粉浜のしじみ 開けも見ず 隠りてのみや 恋ひわたりなむ

         右の一種は、作者未だ詳らかならず (巻6-997)


住吉の粉浜のしじみのように、打ち明けることも出来ず、心に隠したまま、恋続けるのだろうか。


天平6年3月30日、聖武天皇の難波宮に行幸した際に、従った官人の作六首。


粉浜は住吉大社の北に広がっていた浜。

万葉集の中で、しじみ貝を詠んだのは、この一首だけ。

作者未詳になっているけれど、六首の冒頭に位置しているので、行幸に従う官人の中でも、高位の人と推定されている。

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