第129話 雨と女

大伴女郎の歌一首

雨づつみ 常する君は ひさかたの 昨夜の雨に 懲りにけむかも

                        (巻4-519)


大伴女郎の歌一首

雨になると家に閉じこもってしまう貴方は、昨夜の雨に凝りてしまったのでしょうか。


雨を理由にして、通ってこない男に、落胆する女の歌。

現代と違って土の道、土砂降りにでもなれば、泥だらけとなる。

男としては、よほどの女でなければ、でかけようとも思わない。

そうなると、あの人にとって、自分は、びしょ濡れになっても通ってきたい女ではないのだろうか。


待つ身は、様々、思いを巡らすようだ。

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