第81話 山部赤人 高座の三笠の山に

高座の 三笠の山に 鳴く鳥の やめば継がるる 恋もするかな

                        (巻3-373)

※高座の:三笠山にかかる枕詞。


三笠の山で鳴きやんだと思うと、また鳴きだす鳥と同じように、私の恋も絶え間がない。


これも、おそらく春日山での宴席での、戯れ歌。

なかなか成就しない恋を、自ら歌にする。

「それは私も同じこと」と、大笑いで唱和する古の都人たち。

「そんな簡単には、なびきませんよ」と、呆れて給仕する女性たち。

春日野なので、鹿も遠巻きにして見ていたのだろうか。

いずれにせよ、楽しい宴会歌と思う。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る