第3話 躾をしっかり

アリツもアミメも最近目つきが悪くなってきた。ただ、世話をしたくない私は

キリを押し付けようと思い図書館方面に向かった。


キリをおぶって、水辺の近くに着た。


「ママ、どこに行くの?」


「そうだね...」


アミメには“休んでろ”と声を掛けたので、

五月蝿いヤツはいない。


(そういえばここにはペンギンズがいるのか...)


6人いればナンチャラの知恵、いい場所を見つけた。誰かに適当に言い訳して世話してもらおう。



ーライブ会場


最初に話したのはマーゲイだった。

これはラッキーだ。


母性本能を目覚めさせれば、アイドルとしてもっと人気が出るぞとそれっぽい謳い文句でキリを預かって欲しいと頼んだ。


予想通り彼女は快諾した。


「じゃあ、キリ。遊んでおいで」


「えー...、ママと遊びたい...」


不服そうな顔を見せる。


「いいかい?色んな事を経験するのも

勉強なんだよ。それに、私は忙しいから」


そう言い聞かせ、水辺を後にした。




数時間後


ロッジにマーゲイが血相を変え入り込んできた。


「タイリクさん!早く来て!」


「は?」


何もわからぬまま手を引かれ、水辺へと

向かった。

ライブ会場に行くと、苛立った顔のメンバーの面々があった。


「おいおい、どうしたんだい。

そんな怒ったような顔をして...」


「あなたの子供だがなんだか知らないけど、悪戯ばっかするの!迷惑だから帰ってちょうだい!」


ブチ切れしていたのはプリンセスであった。


「なんだって?何をしたんだ?」


そう尋ねると、個々に口を開いた。


「フルルのじゃぱりまん全部食べられた...」


「私は長い髪を切られたんですよ!?」


「服に落書きされたんだがな...!」


「コウテイの落書きはオレが言ってやった事だぜ」


彼女の拳がイワビーを直撃した。


「痛えよ...」


「私は今のところ何もされてないけど…、と、ともかく、迷惑してるんだから!」


「あれ?キリは何処だい?」


「スキありっ!!」








「ってて...、何で私まで殴られなきゃいけないんだよ...、全く。

お前がいけないんだからね」


「...ごめんなさい」


プリンセスに後ろからカンチョーしてくるとは予想していなかった。


「どうしてあんなことしたんだい」


「だって...、ママ遊んでくれないもん」


「えっ?」


1度、頭の中で考えた。

恐らく、迷惑をかければ誰にも受け入れられなくなる。すると、面倒見る相手が私しかいなくなる訳だ。


小さいながらも、よくそこまで考えたものだ。


「だけど、アンタみたいな他人に迷惑を掛けるような子とは遊びたくないよ」


冷たい視線を浴びせながら言った。


「...わかったよ!!

ママはボクのことが嫌いなんだね!

じゃあいいもん!ひとりでっ!!」


反抗的にそう台詞を吐き捨てた。


「勝手にしなよ...」


やっと自由になれた。

二度とアイツの面倒見るものか。


そうして、タイリクはロッジの方へ向かい帰ってしまった。


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