第4話 ミノリの夢

ミノリは相変わらず希望の島での生活は不満のようだった。


あんまりにも退屈だ退屈だというミノリを誘って、クラスの何人かで夜空を見に行くことになった。


意外にも夜外に出たことがないというミノリは困惑した様子だったが、好奇心が優ったようで、ついに首を縦にふった。


マコトたちには夜空を見に行くなんて当たり前のことだったが、ミノリには特別なことのようだった。


ミノリは両親にバレないうよう、こっそりと部屋の窓から忍び出てきた。


夢の島では、夜外に出ることはとても危険らしい。


マコトたちはいつも夜空を見上げるゴミの山の上に来た。

 

新月のこの日、夜空には雲ひとつなく満点の星空が広がっている。


星は夜空一面に輝き、瞬き、寄り添いながら空を埋め尽くしている。


その中で、東の空は夢の島からの灯りに眩いばかりに照らされていた。


「なんてきれいなんだ」


夜空を見上げていたミノリが突然声をあげた。


そして泣き始めた。


最初は堪えるように、そして嗚咽しながら、とうとう大粒の涙を流しながら大きな声をあげて泣いていた。


皆、しばしの沈黙。


するとマコトが口を開いた。


流れ星に願い事を言ったら叶うんだって。大泣きするミノリをわざと見ないように、そうマコトが呟いた。


直後、大きな大きな流れ星が、それは見事に輝きながら流れた。


ミノリは「ドリームタワークイズバトルに出たい」とそう確かに言った。


夢の島で東の空を煌々と明るく照らしていたのが、そのドリームタワーだった。

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