第3話 希望の島

希望の島はゴミで出来た島で、そこに暮らす人々は豊かな夢の島で暮らすことの出来ない貧しい人々だ。


希望の島の人々は自由に島を出ることはできず、ほとんどの大人たちは市役所の用意したバスで夢の島に仕事をしに行っている。


希望の島、そこは夢の島の豊かさを支える島。


そして夢の島は、希望の島の存在の上に成り立った豊かな人の暮らす島なのだ。


カジノと観光で潤った南国のリゾート島である夢の島には、毎日ひっきりなしに国内外を問わずにたくさんの人が押し寄せていた。


ミノリの父親は事業を失敗し、夢の島を追われ、希望の島に家族で引っ越してきたのだった。


毎日何百台というトラックに乗せられ運ばれて来る大量のゴミは、希望の島をどんどん、どんどんと海の沖へ沖へと広げて行く。


不思議なもので希望の島の人口もまた、どんどん増えて行くのだった。

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