第十三話 計画通りにはいかない
「杉田先生と星川先生はなんでいるんですか。っていうかなんで教師は超能力者ばっかりなんですか」
「私達が存在する理由に聞かれても長くなるが、なぜ教師に超能力者が多いのかは説明できる」
冷静に星川先生は言う。
その落ち着き、流石教師歴25年の貫禄だ。そう考えるとオヤジギャグを快調に飛ばす河野先生もまだまだ若いのだろう。
杉田先生は野球部顧問で暑苦しく、若いくせに昭和のスポ根漫画に出てくるような性格をしている。それがどうも苦手で普段は近寄らないようにしているのだが。
「なぜ教師が多いか。それも君の中学校に。それは君の情報が漏れているからだよ。何者かが君の情報を私たちに流しているんだ。それも随分と前からね」
「ま、まさか」
「君の組織をよく思っていない奴らの仕業だろうがな。安心しろ、俺らが流しているわけじゃあない。そういう奴らに負けないようにするためにも君の力が必要なんだよ」
やはりこの先生たちのほかにも恨んでいる奴が……。
一体私のご先祖様は何をしたんでしょうか。
「その情報を流している奴を倒すのは協力しますよ。でも、力でこの世を支配しようとは思わない」
「この力、使わないともったいないだろ。せっかく能力をもらったんだからこの世に知らしめなきゃ」
「何言ってるんですか。よくそんなんで教師になれましたね」
「悪かったな」
私と杉田先生の激しい言い争いが続く。
普段は怖くて全く話せなかったけど実態がわかれば案外戦えるものだ。
「二人ともやめろ。力ずくでも大空の記憶を消せばいいだけの話じゃないか」
「だから記憶は消したくないって」
鋭い視線が一気に集められた。
おっと仕方がない。こういう時は取り敢えず静かにしておく事が一番。
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