第六話 戦いたくない!
どうして連れてこられたのでしょうか。自分がなにか悪いことをしたわけでもないのに。
でもその質問が船田先生には通じないのが現状だ。
「先生、どうやったらここから出してくれますか?」
「難しい質問だな。いつもは授業発言しないくせに……」
「何か言いました?」
確かにいつも授業だろうが学級会だろうが発言をすることはない。
まさかこんな危機状態にそれを言ってくるとは。
いやいや、今じゃないだろ。
「さっきも言ったが俺らは復讐の意も込めてお前を使って頂点の座を奪うのが目的だ。記憶を消してな」
「なっ、何⁉ そんなの聞いてない」
「あれ? 言ってなかったかな」
つまり、ここにいればライバル組織に記憶を消されて利用されるってことでしょうか。
絶対嫌なんですけどっ!
「じゃあ来い、今から実験室に……っていない⁉」
私は今脱走というものに挑戦中です。
今までしたことないし失敗する確率が99,99%なんだけどね。
ただいま後ろに見えますはおそらく私を追っているであろう船田先生であります。
右には壁。左には壁。前にも壁があります。
完全に囲まれてしまいました。
「大空、失敗したようだな」
「いや、失敗を成功にするのが私流です。特に今のところ黒いサングラスで私を追ってきている人はいないようですし」
「何言ってんだ?」
「なんでも」
話すことで時間稼ぎをしている私、ちょっと戦いには慣れてきたかも。
その間に両手に力を集める。
「私の力は、なんだと思いますか」
「なんだろうな、大空だけに風とかか?」
「惜しいですね、正解は自然の力全てでした」
「なにっ‼」
今だ! パワーが手に集まった今、手を振り上げる。
すると、鋭い風が船田先生を突き飛ばした。
あぁあ、戦いたくなかったんだけどなぁ。
ただ今ライバル組織に喧嘩を挑んでしまったようです。
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