第2話 守護者との絆

いつも通りの朝、ではなくなった

何かいつもと違う

でも何が違う…


次の瞬間、声が聞こえた


(おい)


「何だ!?誰の声だ!」


神口は辺りを見渡した

しかし誰もいない


(ハハッ!面白いヤツだな)

(この前も話したじゃネーカ!カカカッ!)


少し考えた後


「この前、、ッ!?」

「あの時か、あの時、、思い出した」


神口は憑依された瞬間のことを思い出した


「あの時、いったい俺になにが起きた」


(ハハッ!オマエに憑依したんだよ)


「憑依!?」


神口は目を大きく見開いた


(アァ!憑依してあの女を助けた)

(あの時のオマエは恐怖で動けなかった、だから体を完全に預からせてもらった)


恐怖で動けないという言葉に怒りを覚えた


「は?言ってることがよく分からねぇんだけど」


(ハハッ!あの時はオレ様がオマエの代わりに戦ってやったってことだ!オマエの体を使ってな!カカカッ!)


「じゃぁ、俺の力であの化け物を倒したってことか!」


(オマエはバカか!カカッ!オマエの力じゃ【憑依者】と戦えるはずがねェだろ!カカカッ!)


「憑依者?あのニュースで話題のやつか」

「じゃぁ、あの時はどうやって」


(カカッ!オレ様の能力をオマエの体でも使えるようにした)


「あんたの能力?」


(アァ!カカッ!オレ様の能力は”スピード”だ!)


神口の部屋の中を驚異的な速さで駆け回った


「スピード?あ!!」

神口は客観的に見ていた自分の驚異的な速さを思い出した


(思い出したか!オレ様のスピードは体がもつ限りは限界がない!”無限”だ!カカッ!)


興味津々な神口の瞳は輝いていた


「マジかよ!なんだよそれ!俺の体でも使えるようにしたってことは俺も使えるってことか?」


(一人じゃ無理だ)


「む、無理」


神口は落胆した表情をした


(ハハッ!落ち込むなって!オレ様が【憑依】すればオマエも使えるよ!カカッ!)

(この前はオレ様が完全に体を預かったが、あれは疲れる!だから憑依して能力だけ使えるようにしてやる!カカカッ!)


「疲れるって、まぁ理由はなんでもいいか」


守護者は人差し指を立てて言った


(シカーシッ!条件がある!)


「条件?なんだ」


(カッカッカ!オマエ以外にもオレ様みたいな【守護者】に憑依された人間はタックサンいるんだ!その中にはオレ様みたいに”いいヤツ”じゃないのもいる!そいつらは憑依した人間の意志は関係なく好き勝手やって人間に被害を加えるんだよ!守護者にもルールってもんがあってよ!詳しく説明すんのは時間のある時にすっけど、とにかく”悪いヤツ”を倒してくれ!カカッ!)


「あーー。まぁなんかよく分からないけどとにかくぶっ潰せばいいんだな?」


守護者はにやけた


「俺にまかせとけ!やってやるよ!」

「そういえばあんた、名前あんの?」


(カカカッ!バースだ!ハハッ)


名前を知っただけでもバースとの絆が深くなったように感じた


「バースか、よし!その能力の使い方教えてくれ!」


(カカカッ!やる気十分だなァ!でも時間大丈夫かァ?)


「ん?」


神口は時計に目を向けた


「やっべ!こんな時間かよ!」


神口は勢いよく家を出た


「くっそ!バースの能力使えたらすぐ着くのによー!!」


【憑依者】(ポゼッシャー)としての神口 瞬の過酷な戦いが今、始まる。はず。(カッカッカ!!)

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