彼女が死んだその日から

@nananeneogawa123

第1話 家での生活

ガラージのドアを開け、家に入った私は、すぐにリュックを部屋に投げ入れると、双子の姉と共に、我が家のアイドル、ココ、を撫でに行った。


ココは1歳のジャーマンシェパードのオスだ。一通りココを撫で終えると、部屋に戻り、ネット小説を読み始めた。


1回読み始めると止まらない。そのせいで、気づいた時には時刻は5時をまわっていた。私は部屋にあるチョコレートを食べながら、宿題を始めた。


今日はピアノのレッスンがあるので、早めに終わらせなければいけなかったからだ。実は家庭の事情でアメリカに住んでいて1年経ってもほとんど英語が喋れない私にとって、勉強が宿題だけというのは少ないとは思うが、最近は全く手につかないので、正直言って、サボっているのだ。


危機感はあった。夜になると後悔もした。でも、それでも改善なんて出来ないものだ。だって、だるいから、辛いから。だからなんだ、っていう話かもしれない。でも、私だって頑張っているのだ。私は時々、生きている意味が分からなくなる時がある。それでも、そんな時は楽しい事を必死に考えてやり過ごす。誰にでもある事かもしれない。それが怠ける理由にはならないのかもしれない。


でも、私にとっては、辛くて、苦しくて、何をするのもダルい。だから、単語を覚えない。文法は時々勉強する。それ以上はだるくて、全く気が乗らない。得意で一番好きな数学でも。アメリカの子の勉強時間はその位だった。日本の友達は、4時間ほど勉強している子が多かったが、やっぱり私には無理だった。


そんな事を考えながら宿題をしていると、夕ご飯が出来たようで、ママがキッチンから私達、私と、ナナのことを呼んだ。今日のメニューは唐揚げだった。


ケイルン、とジャスティン、つまり、私の義理の弟と、ママの再婚相手が同じようにキッチンに集まった。ケイルンは8歳になったばかりのゲーム好きの男の子だ。かなり生意気だから私はそこまで好きではない。


ただ、ママとジャスティンの夫婦喧嘩で泣いていた時は可哀想だと思ったが、自分に有利に物事を進めるためにすぐ泣く時とかズルする時とかが多すぎて、可愛い事や、可哀想なことが少しあっただけでは、好きにはなれない。

それからジャスティンとはかなり仲悪い。実際に言い合ったりしないが、というよりジャスティンは日本語喋れないし、私も英語喋れないので、やろうと思っても出来ないけど、ママを通して色々言われるので、なかが悪い。


まあ、そんなこんなでご飯を食べ終わると、先生が来たので、ナナから先にレッスンを始めた。


ピアノの先生が来た、というのも、アメリカの、私が住んでいる地域では、ピアノの先生が来る、という方が普通なんだそうだ。


ナナがレッスンを受けてる間に私はネット小説を書いていた。次は私がピアノのレッスンを受けたら、顔を洗って歯を磨いて、音楽を聴きながらねる。


因みに、ケイルンはお母さんの家とお父さんの家、つまり私の家を行き来しているので、月、火はお母さんの家で過ごし、水、木、金はお父さんの家で過ごす。週末は、1週目はお母さん、2週目はお父さん、というように変えている。


私は家庭内で不満に思っていることがある。ママの夫婦喧嘩で夜中に家を出て行く行事に付き合わされた事もちょっとむかついたけど、それ以上に「家族の空気読んで」と言われるのが嫌だった。クリスマスの日もケイルンに早く起こされてプレゼント開封をやらされたけど、ゆっくり寝たかったというのが本音である。


夫婦喧嘩に付き合わされるのは本当になんとも思わないが、ママは、その事をかなり申し訳なく思っているようだ。


でも、アメリカでは離婚、再婚、連れ子なんてよくあることで、ケイルンみたいに家を行き来してるこも一杯いる。だから、きっと連れ子というのを甘く見ていたのかもしれない。本気でクラスの1/3ぐらいがそういう家庭環境の子だ。ママも、普通に私達が受け入れると思ったのかもしれない。もしアメリカに着いた時初めてジャスティンと会って、それがママの婚約者だとその日初めて知ったとしても。その事については、三話ぐらいで触れたいと思っている。






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後書き

次話では、学校生活について書こうと思います。

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